第六話 三千円の全能
迅に誘われた日雇いバイト、初めて自分で稼いだ金で飲む一杯——巻でいちばん幸福な一日の、帰り道に待っていたもの。
迅に誘われた日雇いバイト、初めて自分で稼いだ金で飲む一杯——巻でいちばん幸福な一日の、帰り道に待っていたもの。
Amane Tokiwa was born omnipotent. Whatever he wants, he already has before the wanting. He has forgotten, for seven hundred years, what it means to be surprised—until tonight, when he makes one small wish.
千景の視野は、少しずつ欠けていく。病名を語らず、ただシャッターを切り続ける彼女が、遍の写真に見た「何も我慢していない顔で、何かをずっと我慢している人」という矛盾。
学食で出会った写真部の汐見千景が、遍の写真を見せてくる——「あなた、写真だと変なの」。ピントは合っているのに、そこだけ嘘みたいに見える一枚から、小さな違和感が動き出す。
記憶を失った常盤遍が、大学二年生として目覚める朝。目覚まし時計は鳴らず、雨には濡れ、財布はほとんど空——それでも、理由の分からない多幸感だけが、胸の底で灯っている。